1. 用語
  2. 日本史 -た-
  3. 竹取物語(たけとりものがたり)

竹取物語(たけとりものがたり)

平安初期の物語。作者・成立年未詳。漢籍・仏書に通じた男性知識人の作で,9世紀後半~10世紀前半の成立。有名なかぐや姫の物語。「万葉集」「今昔物語集」の竹取伝説を基盤とする。天人女房譚を基本に小さ子譚・求婚難題譚などの説話の話型がみられる。5人の求婚者の失敗には上流貴族に対する痛烈な社会批判がこめられる。かぐや姫が帝の求婚をも拒否するのは地上の価値の否定であり,永遠の世界を憧憬する作者の思想がうかがえよう。「源氏物語」に「物語の出で来はじめの祖(おや)」と称賛されたように,のちの物語文学への影響は多大。「日本古典文学大系」「日本古典文学全集」所収。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

この記事が気に入ったらいいね!しよう