高床建物(たかゆかたてもの)
掘立柱建物のうち,とくに地表から高い位置に床を張った建物をいう。弥生土器や銅鐸(どうたく)絵画に描かれた高床倉庫を典型とするが,弥生時代には物見櫓(ものみやぐら)や楼観(ろうかん)風建物の存在も推測される。古墳時代には高床住居が家形埴輪のなかに認められ,和歌山県鳴滝(なるたき)遺跡のように,総柱形式の大規模な高床倉庫が出現。古代には,出雲大社や伊勢神宮本殿などの神殿建築,正倉院宝庫に代表される倉庫建築,平城宮や難波宮の楼閣(ろうかく)建築へと分化して発展する。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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