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台湾(たいわん)

タイワン。中国福建省の対岸に位置する島。台湾本島・澎湖(ポンフー)諸島などからなる。台湾国民政府統治下にある国で,中華民国の別称でもある。漢民族が98%,少数民族の高砂(たかさご)(高山(こうざん))族がおり,江戸時代の日本では高砂国とよんだ。1624年からオランダ人が全島の経略を進めていたが,61年鄭成功(ていせいこう)がこれを駆逐,鄭氏が3代22年間支配したが,83年清に降った。清ははじめ福建省に所属させ,1885年に独立の一省とした。日清戦争後,95年(明治28)の下関条約で日本に割譲され,98年児玉源太郎台湾総督下,後藤新平が民政長官となり民政へ移管。米・砂糖・樟脳(しょうのう)・塩などの食料や工業原料の増産につとめた。1945年(昭和20)日本の敗戦で中国に返還されたが,49年末,中国共産党との戦いに敗れた蒋介石が国民政府軍200万とともに台湾に本拠を移した。そのため先移住の本省人と復帰後移住の外省人,台湾独立派と大陸との和平統一派の対立など困難な問題をかかえている。1987年の戒厳令解除後,民主化が進められ,経済の発展も著しく,アジアにおける経済大国の一つとされる。首都台北(タイペイ)。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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