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大名屋敷(だいみょうやしき)

近世の江戸における大名の邸宅。藩庁の所在地でもあり,江戸藩邸ともいう。本来的には参勤交代と大名妻子江戸居住の強制によって制度化された,幕府に対する一種の証人屋敷である。各大名は複数の屋敷をもつのが普通で,上屋敷・中屋敷・下屋敷・蔵屋敷などの区別があった。上屋敷は藩主の居宅,中屋敷は上屋敷が被災した場合の予備邸,下屋敷は荷揚げ場や倉庫の敷地,遊興のための広大な庭園などとして用いられた。これらの屋敷には藩主やその家族のほかに多数の藩士が住んだ。居住する藩士には江戸に常住する定府(常府)の者と,藩主の参勤に随行して1~2年で帰国する者があり,総数は多い藩で5000人にも及んだ。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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