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大勢三転考(たいせいさんてんこう)

神武天皇から江戸幕府成立に至る時期をあつかった歴史書。伊達千広(ちひろ)著。1848年(嘉永元)成立。対象時期を3時代に区分し,それぞれの時代の政治・社会制度の特色を「骨(かばね)」「職(つかさ)」「名(みょう)」の語で代表させる。神武天皇が国造(くにのみやつこ)・県主(あがたぬし)を設け世襲的な氏姓を根幹として国を支配した「骨の代」は,推古天皇の冠位十二階と十七条憲法の制定によって官職をもって政治支配する「職の代」に移行し,源頼朝の守護・地頭設置にともない各地の大名・小名が在地で支配する「名の代」に移行したとする。歴史変革の趨勢を「時の勢」の概念によって原理化した点に近代の史論史学への先駆としての意義がある。明治初期に子の陸奥宗光らにより刊行され世に知られた。「日本経済大典」「日本思想大系」所収。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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