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大乗仏教(だいじょうぶっきょう)

サンスクリットのマハーヤーナの訳語。インドで西暦紀元前後におこり自利・利他の菩薩道を標榜した流派が,自力的な解脱(げだつ)を重視する部派仏教を小乗と貶称(へんしょう)し,自派を大乗と称したことに由来する。中国・朝鮮・日本に伝来したのはこの系統である。インドでは竜樹(りゅうじゅ)に始まる中観(ちゅうがん)派,世親(せしん)によって大成された唯識(ゆいしき)派や密教があり,中国では天台・真言・禅・華厳・浄土その他の宗派が競いおこり,日本でもこの影響をうけて奈良時代に三論(さんろん)・法相(ほっそう)・成実(じょうじつ)・倶舎(くしゃ)・華厳・律などが,平安時代以降は天台・真言・浄土・禅・法華などがおこった。即身成仏や他力救済を説く密教経典や法華経・華厳経など,多数の大乗経論がある。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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