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大乗戒壇(だいじょうかいだん)

大乗戒を授与する壇場。765年,中国の大興善寺に設けられた戒壇の名にちなみ方等(ほうどう)戒壇ともいう。とくに最澄が設置をめざした戒壇(円頓(えんどん)戒壇とも)のことをいう。奈良時代,出家するためには天下の三戒壇とよばれる奈良東大寺,筑紫観世音寺,下野薬師寺のいずれかの戒壇で受戒しなければならなかった。そこでの戒は小乗戒で,菩薩戒授受のための戒壇はなかった。最澄はその不備をつき,天台宗の僧侶は大乗戒である梵網戒をうけるべきとして比叡山に独立の戒壇を設置する勅許を求めた。822年(弘仁13)最澄死後7日目にこれが認められ,以後比叡山僧侶の身分決定の場として機能した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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