大教宣布(たいきょうせんぷ)
大教宣布の詔(みことのり)に始まる明治初期の神道国教化政策。大教とは従来の俗にいわれる神道とは一線を画する意味でつけられた名称で,国教としての神道をいった。1870年(明治3)1月3日の大教宣布の詔によれば,祭政一致と「惟神(かんながら)之大道」を宣揚し,各府藩県で任命される宣教使による天下への布教を具体的内容としていた。政府はこれらを実行するために神祇官・神祇省を設立し,宣教使を任命したが,布教能力の弱さや仏教勢力の抵抗などによって,結局神道勢力を中心とした国教化政策は失敗。72年に神祇省を廃止,教部省を設置して教導職をおき,仏教勢力を含んだ国民教化政策へと変わった。77年教部省,84年教導職の廃止により終わった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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