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大逆事件(たいぎゃくじけん)

幸徳事件とも。明治天皇暗殺を計画した容疑で,多数の社会主義者・無政府主義者が逮捕・処刑された事件。赤旗事件以後社会運動の弾圧が強化されるなかで,1910年(明治43)5月,まず宮下太吉ら4人を爆発物取締罰則違反で検挙し,つづいて全国各地で事件に無関係な者も含めて数百人を検挙。うち26人が刑法の大逆罪にあたるとして起訴された。大審院は1審のみの非公開公判で幸徳秋水ら24人を死刑(坂本清馬ら12人は特赦により無期に減刑),新田融(とおる)ら2人を有期刑とした。幸徳らは11年1月24・25日に処刑。以後,社会運動は「冬の時代」を迎えた。判決後50年目の61年(昭和36),唯一の生存者坂本らは再審を請求したが,最高裁で棄却された。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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