1. 用語
  2. 日本史 -て-
  3. 天竜寺船(てんりゅうじぶね)

天竜寺船(てんりゅうじぶね)

南北朝期に京都天竜寺の造営費をえるため,中国の元に派遣した室町幕府公許の貿易船。1342年(康永元・興国3)派遣。後醍醐天皇が没すると,足利尊氏は夢窓疎石(むそうそせき)の提案にしたがい,天皇の冥福を祈るために天竜寺造営を決めた。その造営費獲得の一環として元への貿易船派遣を企て,夢窓疎石の推挙をえて足利直義(ただよし)が,41年(暦応4・興国2)12月,有力商人至本(しほん)を綱司(ごうし)に命じた。至本は,帰国の日に現銭5000貫文を天竜寺造営費として納める請文を提出して出発。幕府は船の警固の責任を負担し,海賊などから貿易船を保護した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

この記事が気に入ったらいいね!しよう