天平文化(てんぴょうぶんか)
8世紀の奈良時代,律令国家が確立した時期の文化を表す文化史の時代区分。白鳳文化と弘仁・貞観文化の間に位置する。東アジア世界の安定のもとで,盛唐の文物・仏教・思想,新羅(しらぎ)・渤海(ぼっかい)や南海・西域の文物が,遣唐使らによってもたらされ,平城京を中心として天皇・貴族・僧侶による国際的で貴族的な文化が発展した。法隆寺東院・唐招提寺・東大寺法華堂などの建築,東大寺・唐招提寺・興福寺などの仏像,正倉院宝物の絵画・染織・工芸品,「万葉集」「懐風藻」などの文学,「古事記」「日本書紀」などの史書が残る。また平城宮・官衙・寺院・集落などの発掘により,建築・手工業や日常生活・民衆文化などの様相が知られる。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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