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天王寺屋(てんのうじや)

戦国期~織豊期の堺の豪商。堺材木町に居住し,姓を津田という。1527年(大永7)に没した宗柏とその子宗達の2代で,堺を代表する会合衆(えごうしゅう)となった。中国貿易商として知られる宗柏をはじめとし,貿易を業として豊後国方面と関係深く,宗達の弟道叱(どうしつ)はしばしば豊後に下って大友宗麟に重用されている。宗達は本願寺や阿波三好氏とも結んだ。茶をたしなむ者が多く,名物道具を収集し,茶会で各界各層と交わった。48年(天文17)から宗達以下3代が書き継いだ茶会記「天王寺屋会記」がある。宗達の子で織田信長・豊臣秀吉の茶頭となった宗及(そうぎゅう)のときに最も栄えた。その子宗凡の死後は家業が衰え,弟の大徳寺56世江月宗玩(こうげつそうがん)に会記や諸道具が伝えられた。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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