製作された後,いく世代かにわたって伝えられた鏡をいう。とくに古墳から発見された鏡に,新しい時代(魏晋代)に製作された鏡と一緒に古い時代(漢代)に製作された鏡が存在している場合,それを伝世鏡とよんで重視し,その意味を議論する考え方がある。和歌山県隅田(すだ)八幡神社の人物画像鏡や正倉院宝物の鏡なども伝世鏡の一種であるが,古墳発見の伝世鏡とはまったく異なった意味のものである。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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