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転向文学(てんこうぶんがく)

昭和初期に社会主義思想を捨て,天皇制を軸とする国粋思想に屈服するに至ったプロレタリア文学者が,みずからの思想的変節の過程を描いた文学。佐野学・鍋山貞親(さだちか)の転向(1933)以降,崩壊の道筋をたどった共産主義運動に並行しておこった。転向の内実には状況と主体性との関係にさまざまな位相があるが,村山知義「白夜」,中野重治「村の家」,島木健作「生活の探求」などが第2次大戦前の代表作。「近代文学」派など戦後文学にもその残像がみられる。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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