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出羽国(でわのくに)

「いではのくに」とも。東北地方日本海側の国。現在の秋田県・山形県。708年(和銅元)越後国北部におかれた出羽郡を中心に,712年9月建国,翌月陸奥国から最上(もがみ)・置賜(おきたま)2郡が編入された。北部領域は律令国家支配の進展にともない北上拡大した。北陸道から派生したが,東山道に所属。「延喜式」の等級は上国。「和名抄」では最上・村山・置賜(おいたみ)・雄勝・平鹿(ひらか)・山本・飽海(あくみ)・河辺(かわのべ)・田川・出羽(いでは)・秋田(あいた)の11郡からなる。「和名抄」所載田数は2万6109町余。「延喜式」では調庸として布・米・穀を定める。国府は当初の庄内平野から733年(天平5)高清水岡(現,秋田市)に移り,のち現在の城輪柵(きのわのさく)跡(現,山形県酒田市)に転じた。一宮は大物忌神社(現,山形県遊佐町)。平安後期に清原氏が台頭,後三年の役後は奥州藤原氏の勢力下となり,その滅亡後鎌倉幕府が強力に支配した。室町中期から北部で安藤氏が成長して秋田氏となり,南部では伊達氏や最上氏が力をのばしたが,豊臣政権や江戸幕府により所領没収や国替が行われた。幕末まで秋田・鶴岡・米沢藩など10余藩があった。1868年(明治元)羽前国・羽後国に二分された。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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