寺田寅彦(てらだとらひこ)
生没 1878.11.28~1935.12.31 明治~昭和前期の物理学者・随筆家。筆名は吉村冬彦・藪柑子(やぶこうじ)など。東京都出身。東大卒。実験物理の研究を進め,「尺八の音響学的研究」で理学博士。ドイツ留学中は地球物理学を専攻。1913年(大正2)結晶によるX線回折の実験で世界的に知られる。物理学の方法論や認識論にも興味をもった。東京帝国大学教授。27年(昭和2)地震研究所専任。気象学・地震学の研究を進めながら,日本的なテーマも研究した。「西洋の学者の眼ばかり通して自然を見ているのでは,日本の物理はいつまでも発達しない」といい,ガラスの割れ目,墨流し,金米糖の生成など物理学における偶然・統計的現象を研究した。科学随筆家としても知られる。学士院恩賜賞受賞。「寺田寅彦全集」全24巻。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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