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寺子屋(てらこや)

寺小屋・手習所(てならいどころ)・筆道稽古所とも。近世から近代初頭の民衆教育機関。内容は主として習字で,ほかに読書・算術を教えるところもあった。まず「いろは」から始め,その後男女の別や子供の出身にあわせ往来文(物)に進んだ。入学年齢・時期・在学期間などは近代以降の学校と異なり自由で,地域の民衆の生活実態に適合した制度だったが,そのことが教育内容の合理化や高度化を阻んでいた面もある。教師はふつう手習師匠とか,たんに師匠といわれ,地域紛争や家庭問題の仲裁役・相談役としても尊敬された。寺子屋は民衆の現実的必要性や勉学への意欲を背景にして近世後期以降盛んになり,幕末・維新期には全国津々浦々に普及した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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