鉄道国有法(てつどうこくゆうほう)
1906年(明治39)3月公布。「一般運送ノ用ニ供スル鉄道ハ総テ国ノ所有トス」とされた。国有化の動きは,企業勃興に終りを告げる1890年恐慌や日清戦争後の1897~98年恐慌,1901年恐慌を背景として高揚がみられたが,いずれも恐慌の克服手段としての性格が強く実現しなかった。その後,資本主義の発展は鉄道輸送の統一を強く要請し,軍事上の必要性を加味して日露戦争後になって実現した。07年10月までに主要17私鉄が国有化され,鉄道業における国鉄のシェアは,営業距離で90.9%,旅客輸送で83.8%,貨物輸送で91.4%,従業員数で88.4%に達し,陸上交通機関として独占的な地位を獲得。87年(昭和62)の分割・民営化で廃止。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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