鉄鏃(てつぞく)
鉄製の鏃(やじり)。身(み)と茎(なかご)からなり,その間に茎より幅広い部分がある場合はそこを篦被(のかつぎ)とよぶ。身には茎にむかって八字形に開いたものもあり,そこを逆刺(かえり)とか腸抉(わたくり)とよぶ。弥生時代に現れ,古墳前期には銅鏃に似た形態の鉄鏃と平根(ひらね)式がみられ,中期は平根式から尖根(とがりね)式への移行期であり,後期は尖根式が盛行するが平根式もみられる。この時期に現れた鉄鏃の種類は,奈良時代にひきつがれていくことが正倉院宝物によってわかる。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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