鉄器時代(てっきじだい)
C.J.トムセンが提唱した三時期法による時代区分の一つで,主要な道具や武器を鉄で作った時代をいう。鉄器は鉄鉱石あるいは砂鉄を木炭とともに溶鉱炉で熱して生じた銑鉄(せんてつ)を原料とし,銑鉄を溶かして鋳型に流しこんで作った鋳鉄(ちゅうてつ)と,銑鉄を加熱して鍛造した鍛鉄とにわかれる。西アジアでは前2000年紀中頃のヒッタイト時代に実用化され,ヒッタイトの国力の源泉となった。中国では春秋時代の末頃以来,鉄で作った武器が使用され,戦国時代には農具や工具までも鋳鉄で作られるようになった。日本では弥生時代の初期から鉄器が使われているが,銑鉄を生産し始めた時期は明白ではなく,弥生時代説と古墳時代説がある。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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