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適々斎塾(てきてきさいじゅく)

適々塾・適塾とも。緒方洪庵(こうあん)が1838年(天保9)に開いた蘭学塾。塾名は洪庵の号による。はじめ大坂瓦町にあり,門人の増加により43年過書(かしょ)町(現,大阪市中央区北浜3丁目)に移転。ここで蘭書会読や医学・軍事科学などの勉学が行われ,洪庵が62年(文久2)江戸に移るまでに全国から612人(「姓名録」署名者。うち1人は再入塾)が入塾した。塾生は塾頭の総括のもと成績で等級にわけられ,蘭日辞書「ドゥーフハルマ」を奪いあうなど昇級競争は激しかった。これらの塾生活は福沢諭吉「福翁自伝」や長与専斎「松香私志」に詳しい。福沢・長与のほか,大村益次郎・佐野常民・橋本左内ら近代日本の建設者を輩出した。洪庵旧宅および塾は国史跡。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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