帝国農会(ていこくのうかい)
農会の全国的中央機関。全国農事会はみずからを系統農会の中央会として位置づけていたが,1907年(明治40)11月の第15回総会で呼称を帝国農会と改め,10年帝国農会の法制化が実現した。農業保護と地主の利益擁護を目標にして,しばしば商業会議所に対抗した。法制上農政運動を禁じられていたため,農政研究会や中央農政倶楽部を通じて政治的要求を政府・議会などに働きかけた。経済活動としては青果物などの販売購買斡旋事業で成果をあげた。23年(大正12)1月新農会法が施行され,はじめて農会は市町村を通じて会費の強制徴収を行えるようになった。第2次大戦中の43年(昭和18)3月農業団体法の成立により,同年9月帝国農会は中央農業会に統合された。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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