帝国主義(ていこくしゅぎ)
レーニンは「帝国主義」(1917)において,ホブソン「帝国主義」(1902)の寄生性の概念とヒルファディング「金融資本論」(1910)の組織的独占の概念を継承しつつ,帝国主義とは資本主義の最高の発展段階にほかならないとした。産業独占の展開,金融寡頭制の形成,過剰資本の輸出,国際的独占組織による世界の経済的分割,諸列強による世界の再分割闘争という五つの指標で特徴づけた。これに対して近年には,自由貿易帝国主義論や社会帝国主義論などが提起されている。日本における帝国主義の形成については,過剰資本形成という条件を欠きつつも,日清戦後の東アジアをめぐる帝国主義体制形成に,義和団出兵により日本が積極的に加わったことを指標とする見解が有力である。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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