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帝銀事件(ていぎんじけん)

第2次大戦後の混乱期に発生した毒物による強盗殺人事件。1948年(昭和23)1月26日夕刻,東京都豊島区の帝国銀行椎名町支店に中年の男が現れ,集団赤痢が発生したと偽って行員ら16人に青酸カリの溶液を飲ませ(12人死亡),この間に男は現金・小切手を奪って逃走した。その手際などから旧日本陸軍細菌部隊関係者の犯行との見方も生まれ,捜査は難航したが,同年夏,警視庁はテンペラ画家平沢貞通(さだみち)を逮捕。旧刑事訴訟法下での裁判は決定的物証を欠いたまま55年の最終審も有罪を認定,死刑判決が確定した。捜査・裁判には当初から疑問が出され,平沢救援活動も活発化したが,再三の再審請求などはすべて却下された。平沢は無罪を主張したまま95歳で獄中死。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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