豊臣氏(とよとみし)
織豊期の武家。豊臣秀吉に始まり,2代で絶えた。秀吉ははじめ木下氏,のち羽柴氏を名のる。姓は信長の後継という立場から平姓だったが,1585年(天正13)7月近衛前久(さきひさ)の猶子となり藤原に改姓して関白に就任。さらに新姓の創出を申請し,「天地長久万民快楽」の意をこめて豊臣に改姓した。勅許は太政大臣就任を機に行われたようである。以後,豊臣姓は弟秀長や甥の秀次のほか宇喜多秀家など有力諸将にも与えられ,これにより大名掌握・統制をはかった。秀吉没後,子の秀頼があとをつぐが,関ケ原の戦・江戸開府などをへて,豊臣氏は公儀権力から転落,1615年(元和元)大坂夏の陣で徳川氏に滅ぼされた。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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