伴造(とものみやつこ)
大和政権において伴(とも)や部(べ)を領有・管理し,朝廷の職務を分掌した官人。「臣連伴造国造百八十部」と称され,臣(おみ)・連(むらじ)につぐ地位を占めた。大伴連・物部連・中臣連など連は上級の伴造ともいうべきものであるが,一般に伴造というと,それ以下の身分である忌部首(いんべのおびと)・玉作造(たまつくりのみやつこ)・秦造(はたのみやつこ)・漢直(あやのあたい)などをさす。忌部首は紀伊・阿波などの諸国の忌部を統轄し,朝廷に必要な物資をださせた。「日本書紀」欽明元年8月条に,秦人の7053戸を戸籍につけ,秦大津父(おおつち)を秦伴造としたとあり,伴造の勢威をうかがうことができる。律令制下に各官司では伴部―品部・雑戸の関係がみられ,伴部を伴造とも称したのは,大和政権の伴造の名残であろう。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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