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飛地(とびち)

本拠である城付(しろつき)などの知行地に対して,遠隔地に分散して存在する知行地。江戸時代の大名,その家臣,旗本などの知行地において,全体がまとまって存在するいわゆる一円知行地の例は,一部の外様大名以外には少なく,ほとんどの場合は遠隔地の飛地知行地を含んだ。とりわけ譜代大名は本拠地に対して飛地の占める比率が高く,たとえば延岡藩内藤氏の場合,総高7万石に対して,城付を含む日向国臼杵郡内に2万4000石余,同国宮崎郡内に2万4000石余,豊後国大分・国東(くにさき)・速見郡内に2万石余が分散していた。なお洪水などで本村と地続きでなくなった土地や,新田開発で本村と離れた場所に高請された土地も飛地といった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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