十三湊(とさみなと)
青森県北西部の市浦(しうら)村十三(じゅうさん)(現,五所川原市十三)にあった中世~近世の湊。戦国期の「廻船式目」に,全国七湊の一つとあり,上方船・夷船(えぞぶね)が群集したという。これは十三湖北岸の福島城に拠った安藤氏の繁栄の時期と一致する。福島城のある相内(あいうち)地区,現在の水戸口近くの十三地区に多くの寺社跡がある。1995年(平成7)からの発掘調査で,領主館・家臣団・町屋敷地区や港湾施設の存在も明らかになりつつある。近世には弘前藩の四浦(しうら)の一つとして,町奉行以下がおかれた。延宝年間以降は,岩木川水運と鰺ケ沢(あじがさわ)港を小舟で結ぶ十三小廻し体制ができあがった。遺跡は国史跡。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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