土佐国(とさのくに)
土左国・都佐国とも。南海道の国。現在の高知県。「延喜式」の等級は中国。「和名抄」では安芸・香美(かがみ)・長岡・土佐・吾川(あがわ)・高崗・幡多(はた)の7郡からなる。国府・国分寺は長岡郡(現,南国市)におかれた。一宮は土佐神社(現,高知市)。「和名抄」所載田数は6451町余。「延喜式」では貢進贄(にえ)として押年魚(あゆ)・煮塩年魚,調庸として絹・堅魚・米など,中男作物・交易雑物として亀甲など。724年(神亀元)遠流(おんる)国に定められ,古代・中世を通じて土御門上皇をはじめ多くの貴人が配流された。南海道諸国のうちで京から最も遠く交通も不便なため,いくたびか官道が新設・変更された。鎌倉初期以降,長岡郡を本拠に地頭として成長した長宗我部(ちょうそかべ)氏は,応仁・文明の乱以後国内を統一し,戦国大名となった。関ケ原の戦ののち山内一豊が封じられて高知藩となり,以後幕末まで続く。1871年(明治4)の廃藩置県により高知県となる。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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