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十組問屋(とくみどいや)

江戸における問屋仲間の連合体。菱垣(ひがき)廻船での下り物を扱う問屋が海難などに共同して対処するため1694年(元禄7)に結成。当初10組からなり,各組の行事と全体の大行事で運営。のち酒店(さけだな)組が樽廻船積を開始して離脱。また河岸(かし)組が始めた仮船積には従来の十組傘下以外の問屋仲間も参加し,旧来の古方に対する仮船方として展開した。1809年(文化6)の菱垣廻船の再興と三橋(さんきょう)会所設立,13年の幕府への冥加(みょうが)上納・株札交付をへて特権的地位を強めるが,41年(天保12)株仲間解散令により解散,海運に関する機能は九店(くたな)仲間に引き継がれた。51年(嘉永4)の問屋仲間再興以降も特権的流通独占は復活できず,明治維新に至り解消した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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