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得宗専制政治(とくそうせんせいせいじ)

鎌倉幕府政治史の時期区分で,第1段階の将軍(鎌倉殿)独裁政治,第2段階の執権政治に続く,第3段階にあたる。政治体制としては,幕府政治の最高権力が執権という幕府の公職から離れて,北条氏の家督である得宗個人に集中された体制で,政治理念は公権力による規制・鎮圧の重視である。具体的内容としては,(1)北条氏内部における得宗の血縁的支配の貫徹,(2)幕府中央の要職である評定衆(ひょうじょうしゅう)・引付衆,地方の要職である六波羅(ろくはら)・鎮西(ちんぜい)両探題および諸国守護への北条氏一門の独占的任用,(3)侍所など幕府機関への,得宗被官である御内人(みうちびと)の任用,(4)評定制度の形骸化と,それにかわる得宗の私的な会合である寄合(よりあい)の地位確立があげられる。成立時期は,霜月騒動後とする説,北条時頼の執政期とする説,北条時宗の死後とする説などがある。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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