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徳政一揆(とくせいいっき)

室町時代に徳政を要求して蜂起した土一揆。実態がわかる京都の場合,近郊で結成された土一揆が,市中の酒屋・土倉など金融業者を襲撃,借用証文を破棄し,質物を強奪して貸借関係を破棄する私徳政を行うのがふつうだった。みずからの貸借関係のみならず他者のそれをも破棄した結果,一揆に参加していない公家・僧侶などにも質物が返還される場合もあった。さらに幕府に徳政令の発布を要求し,幕府はしばしば押しきられた。応仁の乱前夜から,大名の将兵が陣立(じんだて)と称して酒屋・土倉に押しいり,質物を強奪することも頻繁となる。高利貸資本が農村に浸透し,債務の増大によって土地を剥奪された農民らの土地返還要求が,この一揆の背後にあったといわれる。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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