特殊銀行(とくしゅぎんこう)
第2次大戦前の銀行制度で,長期信用業務など政府の特殊な政策目的を担った銀行。松方正義らによって構想され,おもに明治30年代に実現した。貿易金融の横浜正金銀行のほか,農工業金融の日本勧業・府県農工,工業金融の日本興業,植民地金融の台湾・朝鮮などの各銀行である。特殊銀行に対しては債券発行による長期資金の調達が許されたほか,政府資金供給の機関とされるなど厚い保護が加えられたが,営業の過程でその実態が設立目的と乖離(かいり)する場合も多かった。第2次大戦後これらの特殊銀行はGHQによって解体された。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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