富樫氏(とがしし)
中世加賀国の豪族。鎮守府将軍藤原利仁(としひと)を始祖とする斎藤氏の支族。本拠は石川郡富樫郷(現,金沢市)。在庁官人として成長し,富樫介を称した。承久の乱後,加賀最大の武家に発展。南北朝初期,高家のときに加賀国守護となり,幕府方の武将として活躍。15世紀中頃,教家(のりいえ)が将軍足利義教の勘気にふれ,家督を泰高(やすたか)に替えられたことから家督争いが生じ,教家・泰高両派に分裂。それぞれ半国守護となったが,以後も対立抗争が絶えなかった。教家の孫政親(まさちか)は,一時期一国を統一したが,1488年(長享2)一向一揆に攻められ滅亡。泰高が名目上あとを継いだが,1574年(天正2)泰高の孫泰俊(やすとし)も一向一揆に討たれ滅亡。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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