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当道(とうどう)

中世では芸能者がみずからの芸能を「当道」と称したが,平曲の隆盛とともに盲人琵琶法師の座をさすようになった。久我(こが)家が本所となり新座を独立しようとして失敗した1534年(天文3)の座中天文事件などをへて,自律的支配秩序が形成される。近世には,徳川家康が式目を承認し,寛永式目制定により惣検校(そうけんぎょう)を頂点とする職十老の自治的支配権が認められた。1692年(元禄5)の新式目では,惣検校の幕府任命制,京都の職検校(しょくけんぎょう)に対する江戸惣検校の優位などが定められた。近世の当道座は,検校・別当・勾当(こうとう)・座頭の官位制度,師弟制度,諸国支配制度によって維持され,座員は三弦・箏などの音曲,鍼灸・按摩などの治療施術,公的に保護された官金の利付き貸付(金融業)などに携わった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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