東常縁(とうつねより)
生没 1405/07~1484 室町時代の歌人。父は下野守益之。法名は素伝。東野州(とうやしゅう)とも称される。正徹(しょうてつ)にも歌を学ぶが,1450年(宝徳2)正式に二条派の尭孝(ぎょうこう)の門弟となる。55年(康正元)幕命により関東を転戦。応仁の乱では所領美濃国郡上(ぐじょう)を斎藤妙椿(みょうちん)に奪われたが,これをなげいた常縁の歌により返還がかなった。71年(文明3)宗祇(そうぎ)に「古今集」の講釈を行った。後年「拾遺愚草」の注釈を宗祇に送っている。とくに古今伝授の祖として注目されるが,当時の歌壇の指導者であったわけではない。二条派歌学の正説を伝えた歌学者としての功績が大きい。家集「常縁集」,歌学書「東野州聞書」。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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