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東韃地方紀行(とうだつちほうきこう)

間宮林蔵述による樺太(サハリン)・黒竜江の地誌。3巻・付録1巻。村上貞助編。1811年(文化8)成立。「東韃」は東韃靼(だったん)すなわち中国東北部の意。08年北蝦夷(樺太)調査のため樺太に渡った林蔵が,調査終了後,翌年にかけ単身で行った第2次調査の記録。ニブヒ(ギリヤーク)の首長コーニに従って海峡を渡り,樺太が島であることを確認した。ついで黒竜江下流の清国のデレンに滞在し,山旦貿易といわれる清国と少数民族の毛皮の交易を目撃。翌年村上貞助の助力を得て「東韃紀行」と「北蝦夷地図」を作り,これを改稿した決定版が「東韃地方紀行」と「北夷分界余話」(「銅柱余録」とも)である。付録で渾沌江(アムール川)の源流やシャンタン(ニブヒ)について考証する。「日本庶民生活史料集成」所収。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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