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統制派(とうせいは)

昭和前期の陸軍の派閥の一つ。一夕(いっせき)会系の陸大卒のエリート軍人が形成。永田鉄山・東条英機・武藤章・池田純久(すみひさ)ら10人が中心で,大半が外国駐在の経験者。次におこる戦争は軍事・経済・科学・全国民を陸軍主導の下に一元的に統制する国家総力戦であるとし,そうした国家体制実現は,陸相が内閣の政策を動かし,同時に新官僚や財界とも提携して合法的に達成するとした。この達成には皇道派の青年将校の非合法運動は軍の統制を乱す障害であるとして,皇道派と対立した。1934年(昭和9)10月陸軍省新聞班発行の「国防の本義と其強化の提唱」は統制派の思想・方策の宣言書。35年8月の相沢事件で打撃をうけたが,翌36年の2・26事件後の粛軍人事で皇道派を一掃した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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