東清鉄道(とうしんてつどう)
1898~1903年にロシアが満州に敷設した全長約2500kmの鉄道。極東進出をねらったロシアは,シベリア鉄道をウラジオストクに最短距離で結ぶため,清国から満州における鉄道敷設利権を獲得し,満州里―綏芬河(すいふんが)間を東西に結ぶ本線,ハルビン―旅順間の南満州支線を完成。日露戦争後,南満州支線の長春以南は日本に譲渡され,新設の南満州鉄道会社の経営となった。残った本線などは東支鉄道・中東鉄道・北満鉄道などとよばれ,ロシア(のちソ連)が管理したが,ロシア革命,列強のシベリア出兵,中国民族主義の台頭,満州事変などで経営がしばしば不安定となり,中ソ共同経営をへて,1935年(昭和10)に満州国に譲渡された。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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