同心(どうしん)
江戸幕府の下級職名。もとは一味同心から同意・協力する人を意味したが,戦国期には武士組織の頭に所属する下級武士の身分呼称となった。江戸時代には諸奉行・各種の番頭・所司代以下に付属し,多くの場合与力の配下で庶務あるいは警衛にあたった。定員は年代や職制の改廃により変動したが,漸増して幕末期には総数6786人であった。最多数は八王子千人同心の1000人,町奉行所の同心は280人ほど。与力の職務分掌ごとに2人ぐらい配属されたが,定廻(じょうまわり)・臨時廻・隠密廻の三廻など,同心だけの職務もあった。身分は1代限りの抱席(実質は世襲)。俸給は30俵2人扶持が標準で,役格(年寄以下11格)により若干の差がある。岡引(おかっぴき)(目明し)は同心の私的な部下。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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