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藤氏家伝(とうしかでん)

藤原氏の代表的人物の伝記。奈良・平安時代に作られた家伝の代表例。鎌足(かまたり)伝(大織冠伝)・武智麿(むちまろ)伝を「家伝」上下として「群書類従」に収める。上巻末に「貞恵・史(ふひと)とともに別に伝あり」とあり,貞恵伝は「続々群書類従」に収める。ほかに百川伝なども作られたらしい。鎌足伝・貞恵伝の撰者は藤原仲麻呂で,父祖顕彰の意図が著しい。武智麿伝の撰者は僧延慶(えんけい)。いずれも貴重な独自資料を含む。成立は760年(天平宝字4)頃か。「藤氏家伝 注釈と研究」に三伝の影印所収。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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