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湯治(とうじ)

病気やけがの治療,疲労回復などを目的として温泉を利用すること。慢性の病気をもつ者が滞在するほか,田植後や農閑期の農民が慰労のため団体ででかけることも多い。病気治療が目的の場合,症状に効能があるとされる温泉を選び,米・味噌などの食糧を持参し湯治場で自炊した。定期的な湯治としては丑(うし)湯治がある。土用の最初の丑の日から次の丑の日までの湯治で,とくに丑の日の丑の刻に入浴するのが最も効能があるとされる。温泉の多くは信仰と不可分の関係にあり,行者らが行う湯垢離(ごり)場から発達したものもある。温泉へでかけられぬ者へ湯の花を土産とする習慣もある。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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