道教(どうきょう)
中国におこった宗教。中国古代のアニミズムにもとづく自然宗教を母体とし,教理的には道家思想が強いが,その中心は神仙思想であり長寿を目的とする。7世紀以降老子を教祖と説くようになるが,実際の開祖は不明。儒教・仏教,陰陽・五行・墨子(ぼくし)・易などの諸思想や,医術・巫(ふ)術の要素が認められ,また長寿などの現世利益の成就と関連して呪術宗教としての性格も強い。道士の支える成立道教と民衆道教(道教的民間信仰)に大別できるが,前者のみに特定して道教の名称が使われる場合もある。道士は妻帯を禁止されて道観(どうかん)(道教の寺)で生活をともにし,古来,天師道・上清派・新天師道・全真教・浄明忠孝道などの宗派を形成。日本・朝鮮半島・東南アジアの一部にも伝播している。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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