東海道中膝栗毛(とうかいどうちゅうひざくりげ)
江戸後期の滑稽本。「東海道中膝栗毛」は発端と8編,「続膝栗毛」は12編。十返舎一九(じっぺんしゃいっく)作。挿絵は19,口絵などは歌川豊国らの画。1802~22年(享和2~文政5)刊。駿府生まれの栃面屋弥次郎兵衛と元旅役者の喜多八が,江戸から大坂まで旅をする間の道中記。2人は奇行・愚行を繰り返し,滑稽な失敗を次から次へと行い,その間に旅行者や街道筋の人々のようすが狂歌をまじえて描かれる。「続膝栗毛」は金毘羅参詣,宮島参詣,中山道,善光寺参詣,草津温泉の道中を描く。刊行中から人気沸騰し,本作の模倣作も多数書かれた。「日本古典文学大系」所収。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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