党(とう)
平安後期~中世に存在した武士の連合体。(1)平安後期に発生した武士団は,惣領を中心に一族が血縁的に結合し,同族意識のもとに集団を形成した。東国では一般に武蔵七党といわれる横山党・猪俣(いのまた)党・野与(のよ)党・村山党・西党・児玉(こだま)党・丹(たん)(丹治(たんじ))党・私市(きさい)党・西野党・秩父(ちちぶ)党・綴(つづき)党,下野国の紀(き)党・清(せい)党。西国では摂津国の渡辺党,紀伊国の湯浅(ゆあさ)党・隅田(すだ)党などがその典型とされる。(2)鎌倉後期~南北朝期に惣領が統制力を失い,庶子がしだいに独立して惣領制の崩壊が進むと,血縁的関係よりも地縁的関係によって結ばれた集団が形成された。こうした地域的に結ばれた中小武士の共和的連合体が一揆(いっき)で,党ともいわれた。共和的党の典型としては,肥前国の松浦(まつら)党が有名。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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