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問屋制家内工業(といやせいかないこうぎょう)

江戸~明治期に小生産者の営む家内工業が,前貸制度を通して特定問屋に隷属させられた形態。自己の住宅内で自己の道具を用いて家族労働を中心に特定商品の生産に従事する形態が,商品経済の発展に巻き込まれた結果,特定有力問屋の支配下に隷属し,原料・道具などの前貸をうけて製品を生産し,問屋に納めて加工賃をうけとるという形態に転化した。この形態は賃挽(ちんびき)・出機(だしばた)制として製糸業や織物業の分野などで早くからみられ,明治期に入って近代工業が発展したのちも,その周辺部に多く残されて現在に至る。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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