1. 用語
  2. 日本史 -つ-
  3. 辻番(つじばん)

辻番(つじばん)

辻番所とも。近世都市に治安維持体制の一環として設定された施設。道路上の番所とそこに詰める番人からなる。江戸では負担者によって,幕府による公儀辻番,町による町の辻番(自身番),大名・旗本による武家方辻番の3種にわけられる。このうち武家方辻番は元文年間に936カ所あった。設置と維持は屋敷拝領者に対して課せられた役であり,幕府の目付が管轄した。武家方辻番の成立は寛永期で,一手持辻番と組合辻番の2種類があった。機能は,担当区域の不審者や喧嘩の当事者などの留置,担当区域の病人・酒酔人の保護,捨子の処置,死体・捨物の処理,事故処理,馬の保護など。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

この記事が気に入ったらいいね!しよう