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浦上玉堂(うらかみぎょくどう)

生没 1745~1820.9.4 江戸後期の南画家。姓は紀,名は弼,字は君輔。玉堂琴士の号は,中国伝来の琴の銘からつけたもので,画とともに七弦琴も得意とした。備前国岡山藩支藩岡山新田(鴨方)藩士として37歳のときに大目付にまで進むが,1794年(寛政6)旅先で2子をつれて脱藩。以後,琴を背負って各地を放浪し晩年は京都に住んだ。画は独学だったらしい。画作は脱藩後,とくに60~70歳代に集中する。作品は「東(凍)雲篩雪(とううんしせつ)図」や「煙霞帖(えんかじょう)」のような憂愁感漂うものや,「山紅於染(さんこうおせん)図」や「高下数家(こうかすうか)図」のように澄んだ境地をみせるものなどがある。内面の揺れをそのまま筆墨に託す表現は,南画史上にも類をみない個性的な世界をつくっている。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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