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海幸・山幸(うみさち・やまさち)

記紀神話にみられる説話。元来サチは漁具・猟具をいい,またその獲物,さらに獲物を獲得する霊力をいう。ニニギの子であるホノスソリは海幸を,その弟のヒコホホデミは山幸をもつ神であり,それぞれ海幸彦・山幸彦とよばれた。あるとき兄弟は道具を交換したが,弟は兄の釣針を海でなくしてしまう。兄に責められた弟は,シオツチノオジのはからいで海神(わたつみ)国へ行き,そこで海神の女トヨタマヒメと結婚,失った釣針と潮の干満を左右することができる珠を得て地上に帰り,兄をこらしめ服従させた。このようなモチーフをもつ説話は環太平洋地域に広く分布する。また海幸彦は隼人(はやと)の祖であり,その奉仕起源伝承ともなっている。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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