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和様(わよう)

日本風の書のこと。唐様の対語。奈良~平安初期には中国の書とくに王羲之(おうぎし)の書風に追従することが第1とされたが,平安中期に至ってそれまでとは一線を画する日本独特の書風が確立された。概して温和で優美なこの書風を和様とよぶ。和様の示す範囲は一般に楷書・行書・草書の漢字三体に限定され,日本でうまれた仮名は含まれない。最初の和様創始者は三蹟の1人小野道風(みちかぜ)で,王羲之の書を日本化して書くことに成功した。その後,同じく三蹟の藤原佐理(すけまさ)・藤原行成(ゆきなり)によって継承された。とくに後世の和様書流の根幹となる世尊寺(せそんじ)流の祖である行成の書風は広く流行した。法性寺(ほっしょうじ)流・御家(おいえ)流(青蓮院(しょうれんいん)流)など中世~近世に主流をなしたものはおおむね和様であり,明治期に入って中国風の書が盛んになるまで長期にわたり隆盛を誇った。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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